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概要

news_no.94

2017年(平成29年)10月1日 一般社団法人 全国病児保育協議会ニュース 第94号(15)参加者は、発表者の声が聞き取れるように近くに集まり、熱心に耳を傾け、質問をしたりメモを取ったりしていた。まず始めは美女木げんき保育園病児保育室げんきルームの発表。「保育所併設型病児保育室で困難感が生じた事例」の報告。入院を要する程の患児であったにも関わらず、隣接する病院の医師と密の連携を取り、丁寧に関わり快方に向かった事例。2つ目は大分市の西部にある「西の台こどもデイケアルーム」「近隣の市町村との連携による病児保育室の有効利用」の発表で、隣の由布市からもニーズに応え、大分市の定員の空きをうまく利用し由布市からも多くの受入をしていた。3つ目は「すぎなみ病児保育室しーず」で「地域の中での病児保育室の役割~保育園職員の研修を実施して~」。と題し、系列園の保育園職員を対象に、衛生管理の仕方を実際に研修しその成果と課題を分析。4つ目は「メディキッズ新山口メディキッズ山口ハートクリニック新山口」の発表で「衣装期間併設型病児保育所と隣接する保育園との連携の試み」として、病児保育室の保育士を隣接保育園から確保することで、キャンセルを減らす努力。5つ目は病児保育の愛着形成に及ぼす影響。保護者の観点からと題し、アンケート調査をもとに分析。病児保育を利用することは愛着形成に影響するものではないというもの。6つ目は「西岡医院病児保育室レインボーキッズ」の「病児保育室における愛着形成について」で1つ事例から、保護者の気持ちに丁寧に寄り添う保育の実践についての発表。 病児保育の中で、患児のケアだけでなく育児と就労の支援、保護者支援、地域貢献など多岐にわたっての取り組みの発表であった。感染症セミナー1)「厚生労働省「保育所における感染症対策ガイドライン」を読む」 川崎康寛先生(病児保育室リトルスター 大阪) 講演最初に、健常児の中で感染症の流行を阻止することを主眼とする保育所での感染症対策と、感染症患児を主体とする病児保育室の中での感染症対策の違い報告者/座長:佐藤 勇(病児保育室よいこのもり)一般演題 I(ポスター) ポスターI「取り組み②」では、5題の演題発表がありました。 I ‐ 1:診療部門と病児保育部門の密接な情報共有や迅速な対応、より安全安心の向上を図ることを目的としたトランシーバ導入についての発表でした。スタッフ間で即座にやり取りができるようになったことで、利用児の状態や病状の把握がしやすくなったなどの効果が得られたという報告でした。 I ‐ 2:利用児童のお迎え時の引き渡し間違いがないように、また保護者の「なりすまし」防止のために導入している顔認識システムの具体的な方法と効果の発表でした。システムの活用が利用者、スタッフに大きな安心を与え、引き渡しの間違いや「なりすまし」抑止力に効果があったという報告でした。 I ‐ 3:キャンセル率の高い世帯について、保護者がどのような時に病児保育の予約をし、キャンセルするのか、アンケート調査した結果の発表でした。利用予約・キャンセルされる理由が明らかになり、家庭での状況を把握することができたという報告でした。 I ‐ 4:スタッフ間の情報共有を確実に行い、保育看護中の事故や間違いを防ぐことを目的としたホワイトボードの活用についての発表でした。ホワイトボードは、目に見えてスタッフ間で共有できることから、有用であると思われたという報告でした。 I ‐ 5:はじめて病児保育室で働く保育士職員が、隔離室を担当するとき、子どもを安全に保育看護するために、どのような情報が必要か事例を通して考察した発表でした。自分が行ったケアを他の職員に話し、情報交換や記録することで、次回に有効な新しい情報を作り、提供し、それが自信へとつながっていくという報告でした。 フロアからは質問だけではなく、自施設の取り組みの紹介もあり、活発な意見交換が行われました。また、セッション終了後、個別に意見交換が行われている様子も見られました。どの演題も、保育看護の向上にむけて、とても参考になる発表でした。報告者/座長: 葛原 誠人(陶病院 病児保育室うぐいす)