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概要

news_no.94

2018年(平成30年)10月1日 一般社団法人 全国病児保育協議会ニュース 第94号(17)ステップアップ研修 保育士不足の保育業界です。これからの時代人材不足は加速し、AI化がおそらくやってくることでしょう。時代の変化は避けられない状況に置かれています。これからの子どもたちの生きる力をどうはぐくんでいくかを保育の中心に据えていく、病児病後児保育の中でも変わらず意識していくことが大切です。保育とは、養護と教育が一体となったかかわりで、豊かな人間性を持った子どもを育成することです。 ある企業が中学生に人物像をこう語りました。①自分で考え行動できる人。②周りと仲良くできる人(共感、協働)③心が折れずに物事を乗り越えられる人。保育につながる部分大です。指針の改定で保育が「幼児教育施設」としてうたわれました。その上に立って保育者の役割も今以上に重要になっています。 保育士に求める資質として問いたい最大のテーマは「主体性を持ってよく生きる」ことです。自分自身が「私なんて」と自分をあきらめていたら子どもに向き合えません。新しいものを取り入れる、挑戦する力があれば子どもとともに学び未来につながる人間の育成へとつながります。 また保持してほしいものは「心の柔軟性」です。病児病後児保育は一期一会の出会いです。信頼関係は希薄です「子どもを変えよう」「お母さんを変えよう」ではなく、自分が変わることや相手の置かれている状態を理解することから始まります。 一期一会の出会いですが、子育てを悩んでいる保護者にとっては、逆に普段伝えられないことを伝え相談できる場所にもなります。 それも病児病後児保育の役割でしょう。 これから社会はもっと多様化し、AI化・機械化の中で人と人のつながりは希薄になりがちです。だからこそつながりを大切にした保育を行いたい。心と心をつなぐ保育基礎研修(保育)報告者/座長:藤巻 元美(ナオミ保育園病後児保育室バンビ)          講師:渋谷 佳子 先生(よい子の小児科さとう併設病児保育室よいこのもり) 今回のステップアップ研修は保護者理解をテーマにお話いただきました。講師のダーリンプル先生が主催する「子育てパートナーのためのセミナー」に私が参加するようになって、8年になります。そのセミナーでは、様々なケースから「観察力の大切さ」や「自分の子育ての振り返り(内省力)」をする機会にもなりました。 ダーリンプル先生は、ご自分の子育ての経験から、保護者にとって周りに支えられている感覚は、“たった一人で子育てをしている感覚”に陥ってしまっている保護者にとっては、心からホッとできる。そして、安心感を感じることができた保護者は、病気の子どもに優しくしっかりと向き合うことができると話されました。それは、保護者と子どもは響き合った関係だから、保護者が優しく自分を包んでくれると、子どもも安心でき、回復も早まるかもしれない。つまり、保護者を支えることは、子どもの育ちを支えることに繋がると話されました。報告者/座長:今井 七重(中部学院大学)                       講師:ダーリンプル(Dalrymple) 規子 先生(中部学院大学短期大学部幼児教育学科)子育てを孤育てにしない!-保護者理解を深めてみたら- 子育てする環境の変化、子育て家庭の変容、子育て不安とストレス、保護者の就労と子育てなどリスクの多い養育環境の中で保護者は生活をしているということを支援者は知っておくことが大切であり、保護者を支えるためには、その保護者の気持ちや状態をしっかりと理解しようとする姿勢が支援者には最も大切だとダーリンプル先生は述べられました。 保護者への対応のポイントは、子どもが病気になった時は「子どももしんどいけれどお母さんもしんどいでしょう」という視点。お母さんの罪悪感を受け止めながらお母さんを支える視点。相手を理解したいという視点。支援をする視点での観察力などがあることを話されました。壇上で拝聴していた私も、保育者として、支援者として、保護者を理解するための姿勢のあり方など大変感銘を受け、心があたたかくなりました。