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概要

news_no.94

(18)第94号 一般社団法人 全国病児保育協議会ニュース 2018年(平成30年)10月1日 講師の江頭さんは、元公立保育園長だった長谷川ヒサイ先生とパルム光が丘で保育看護を実践されてきました。(その実践を2015年「保育看護のこころ」として長谷川先生を中心に出版されています)今回の改訂基礎研修テキストの第4章「保育看護」は、これまでの江頭さんの実践のエッセンスが凝縮されています。セミナーでは、執筆されたテキストに沿って、丁寧に保育看護の大切なポイントを話されました。「保育看護」の定義はたった3行だけれど専門性は奥が深いこと。現場においては「保育看護」は平面ではなく立体のボール状として捉えることが実態に近く、自分から「保育看護」の視点をもってその中にもぐり込んでいくことがなければ、「保育看護」の奥深さが見えてこないと話され、そのための視点をいくつか教えて下さいました。まず前提となるのは、病児保育室は子どもにとって生活の場であるという認識です。その生活の場日々の保育看護を振り返る基礎研修(保育看護)報告者/座長:帆足 暁子(ほあしこどもクリニック)             講師:江頭 則子 先生(練馬区医師会病児保育センターぱるむ光が丘) こどもの看方を小児看護の視点から捉え、どのようなアプローチをすることで支援としての働きが見いだせるのか、病気に関する知識を得ることによる質の向上へのつながりをお話しいただきました。 小児看護における対象は、新生児から思春期までのすべての子どもとその家族であり、健康不健康を問わず様々な視点からの関わりを考えていくこと、その年齢に応じた援助や安心した保育を行うための視点として「観察のポイント」「子どもの様子への気づき」の2点を挙げられました。 「観察のポイント」では、それぞれの症状に対してのポイントを押さえ、ひとりひとりに適切なケアを行い、不必要な体力の消耗を防ぐことで自然治癒力を高めていくことが病気の回復を早めることにつながること。 「子どもの様子への気づき」では、子どもは、病気の時、自分の言葉で表現できないため、保育者は今置かれている子どもの状態が「良い状態」か「悪い状態」かを判断し、早期に気づき、看護師や医師に伝えることが急変への対処の始まりであること。 これらの個々に寄り添い、適切なケアへのアプローチを行うことで早期回復への導きや個別の家庭看護へつなげていくことは、基礎看護では大切であり、そして何より正しい知識を得て適切なケアの方法を知るということは自信をもって病気の子どもに寄り添えることにつながっていくとのことでした。 看護の語源・定義・要素・倫理といった看護の基礎知識を前文に、小児看護の目標と役割では「健康な状態に戻る」がゴールだと話され、保育保健や子どもの病気の特徴、フィジカルアセスメントによるアプローチ、症状別ケア、病児保育における看護の専門性の流れで講義は進みました。フィジカルアセスメントや症状別ケアでは具体的な対処法もお話しいただき、実践を思い浮かべながら学べたのではないでしょうか。その後、余時間を利用して与薬について基礎研修テキストに添ってお話しいただきました。病児・病後児保育における看護知識基礎研修(看護)報告者/座長:原  文子(社会福祉法人 惣栄会 ひよこ保育園 病後児保育室ひよこのいえ)講師:今井 七重 先生(中部学院大学看護リハビリテーション学部看護学科) 保育の実際では各年齢の特徴をお話しいただきました。保育者を人としてのモデルとしてみている子どもたちです。「いったとおりにはならないが、やったとおりになる」病児病後児保育のみではなく、保育者としての姿勢と心を問われた研修委員渋谷佳子さんの保育講座でした。