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概要

news_no.94

(2)第94号 2018年(平成30年)10月1日シンポジウム 1会 頭 講 演報告者/座長:木野  稔(中野こども病院 アリス病児保育室)「病児保育と子育て支援」座長印象記一般社団法人 全国病児保育協議会ニュース病児保育はいつもそこにある ~つなごう 子ども・子育て支援の輪報告者/座長:大川 洋二(大川こども内科クリニックOCFC病児保育室うさぎのママ) 本シンポジウムは、今大会のサブタイトル「つなごう 子ども・子育て支援の輪」の趣旨を受けた最初のプログラムで、病児保育と子育て支援のあり方をあらためて考え直すことができた。藤本 保先生からは、「誰のための病児保育か」として、病児保育事業が注目を浴び拡大していく今こそ、就労支援ではなく専門家集団がトータルケアを行う究極の育児支援であると明言すべきであるとされた。稲見 誠先生は、病児保育施設は、人的資産を利用してより質の高い地域の子育て支援センターになりうること、アウトリーチが必要となると強調された。そして、すでに取り組んでいる産後ケア事業、子育て支援拠点事業などの実績を示していただいた。横田俊一郎先生は、日本の小児を取り巻く環境は大きく変化し、クリニックの日常診療から地域社会でのメディカルホームとしての活動に目を向けること、これからの小児外来診療は育児支援そのものであると述べられた。そして、保護者の不安を聞き出し、どのように答えるか、患者の訴えにはメッセージがあることを説明され、病児保育を始めたことで子どもの実際の生活の姿が見えるようになったと感想を述べられた。さらに、これからの日本の小児医療は健康増進に関心を持ち、ヘルスサービスの質を高めること 西岡会頭のアイデンティティを示すご講演でした。大学卒業後10年余りでご開業、その後地域の小児科医として貢献されてきました。地域に必要な子ども子育て支援の活動は、病気の子どもを預かる病児保育事業を開始することから始まり、その後地域子育て支援拠点事業に発展し、利用者支援事業が加わり、子育て支援3事業として確立してきました。病児保育で預かる病児のほとんどは感染症に罹患した幼児ですが、西岡先生の施設では外傷や術後のケア、さらに心因性疾患の子どもたちにも広がりました。特筆すべきは愛着形成ができない親子への支援を行い、見事愛着構築につなげていることです。病児保育と愛着形成には相反する意見があり、その功罪についてはエビデンスの集積が必要です。本講演では愛着形成を促進する報告がなされ病児保育への正しい評価へとつながっていくことでしょう。 地域子育て支援センターでは乳幼児親子の交流の場を提供し、親子広場、タッチケア、ママさんサークルなど多彩な事業が展開されています。また育児や親育ち講座をとおして、育児や親業に必要な情報の提供を行っています。さらに母親予備軍とも言える中学生を対象に次世代応援企画の実行はまさに現在とともに、10年先の子育てを支援しているといえるでしょう。この多彩な事業を行う西岡会頭の熱意には脱帽ですが、この子育て関連3事業に携わるスタッフの皆様のご貢献は称賛しきれないものがあります。 同じ事業を東京で行うことは至難の業ですが、地方都市での強みを生かした子育て支援事業の展開に多くのことを学びました。日本は東京、大阪など中核都市への人口集中と、地方での過疎化が様々な程度に広がっております。日本中が均一なシステムではなく、その地域にあった、その特色を生かした子育て支援の在り方を本講演で学びました。この西岡イズムを日本中に広めたい思いで拝聴しました。  私たちはここにいる、必要とするあなたのそばに。