ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

news_no.94

2018年(平成30年)10月1日 一般社団法人 全国病児保育協議会ニュース 第94号(21)わせがあります。また、服薬方法の工夫だけではなく、いかに子供たちの「服薬意欲」を高めていくかが大切です。今回のWSでは、以下の2点について実施しました。① 実際に「薬と薬」、「薬と飲食物」の組み合わせで、味がどのように変化するのか体験しました。・クラリスは単剤か服薬ゼリー(チョコ味)がもっとも味がよかった。酸味のあるもの(イチゴ味など)、スポーツドリンクは混ぜると苦味が強くなり、後味も悪くなった。カルボシステインを混ぜると、苦味が強くなった。・タミフルは単剤では苦味が強く、後味も悪かった。スポーツドリンク、カルボシステインと混ぜることで苦味を軽減し、甘味を強く感じることができた。服薬ゼリーも味の改善がみられた。・クラリスロマイシン「トーワ」は、クラリスと比較し単剤でも飲みやすかった。② 次に、皆さんが普段から工夫されている服薬方法や服薬意欲を高める方法を話し合って、全員で情報 まず、気になる子どもの行動や原因、関わり方を20分程度講義した後、2事例を出してグループワークをしました。 生後9か月の環境に慣れにくいA君については、食事や睡眠が取りにくいとの報告に、無理しないで安心できるようにする事や、特定の保育士さんが付いて信頼関係を作るなどの意見が出ました。3歳の活動の切り替えが苦手なB君の事例については視覚刺激を使い、先生の指示や環境をわかりやすくする工夫や本人の遊びを尊重し、静かな環境が必要であれば個室を準備するなどの専門的な対応の意見が出ました。 グループの話し合いの中で、アトピーの食事はどうしているかとか、お母さんに気になる行動をどのように伝えるかなどの意見交換もでき、日々の保育に生かせる情報を持ち帰れたのと思います。 最後に、心理検査のエゴグラムを各自で実施しました。自分の心のあり方を理解し、改善していく事を目的に作られた検査です。各自で採点し分析して、皆さを共有しました。・頑張って薬を飲めるような声掛け、応援をする・飲めた時に褒める、お菓子などご褒美をあげる・スプーンにのせ一口で服用させる、スポイト・ストローを使用する・他の子が飲んでいるところを見せる・家庭でしている方法をマネする・食前に飲ませる・薬がなぜ必要か、子供でもわかりやすく絵本や人形を使って話をする・団子状にして、うちほほ、上あごにつける・薬を飲んだ後、甘いものを食べさせる・服薬ゼリーを混ぜる時は、ゼリーを多めに入れると効果的・苦めの薬は、アイスクリームに混ぜて服用させる・あえて何も混ぜない方が飲みやすいことが多い 実際に体験することで多くの「気づき」を得ることができました。病児保育における「服薬支援」について考え、それを共有することができました。ん静かに自分の結果を見ていました。人に関わる仕事をする人は、自分の事を理解するのはとても大切な事なのでこれをきっかけに、自分の事を知り、健康な心身の状態で仕事に取り組めるといいと感じました。 ワークショップに参加した皆さんが意見を言い、聞き、笑い、考え、有意義な時間だったと思います。気になる子どもを支える専門家として病児保育の関係者の学習意欲と子どもに寄り添った対応の工夫は素晴らしいです。 しかし、ある先生が「その子が通っている保育園での様子を聞きたいけど聞いてますか?」とグループの先生に尋ねると皆さん首を横に振りました。そしてある先生が「お母さんが保育園の先生に“病児保育に預ける”と言ったら“病気の時ぐらいお母さんが見れないんですか?”」と言われた。 まず、病児保育の社会での認知度を高めるとともに、子ども支援、母親支援のために、保育の専門家同士、手をつなぎ合いたいと感じました。報告者/ワークショップリーダー:谷本 智子(へいわこどもクリニック)宮川 愛美             斎木 純菜             ワークショップ4気になる子どもとの関わりを考えてみよう