ブックタイトルnews_no.94
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(4)第94号 一般社団法人 全国病児保育協議会ニュース 2018年(平成30年)10月1日特 別 講 演 1体的に示し、「子育て安心プラン」のもとでの「多様な受け皿の確保」を図る施策の中で病児保育の今後を方向付けると説明し、事業の安定的な運営の観点から補助の仕組みや加算を見直したこと、今後各地域で病児保育事業が一層推進できるよう取り組むと述べられた。 今村定臣先生は、「病児保育における日本医師会の取組」と題して、「子ども支援日本医師会宣言」に至る経過を概説し病児保育を推進していることを説明した。また、自らが産婦人科医であり、日本医師会で担当している「女性医師支援センター事業」の説明や「女性医師の勤務環境の現状に関する調査」の結果から病児保育の必要性に言及され、日本医師会としても病児保育の充実に向け政府へ提言していくと述べられた。 大川洋二会長は、「少子化を解決するゴールデンシステム 病児保育は子育て賛歌に?がる」との題で、育児への支援体制から子育てに喜びを与える育児賛歌に?がる道として病児保育があるのだということを詳述された。病児保育の原動力は保育士にあり、保育看護に精通する看護師と保育士に協議会が認定する病児保育専門士が担うのであり、その働きに見合う社会的地位と手当てが必要であることを強調した。また、病児保育施設こそが地域子育て世代包括支援センターの中核的役割を担うべきであると述べられた。 総合討論でフロアから出された多くの意見と国への要望について、吉田局長はそれら要望に真摯に耳を傾けて下さり、短期、中期、長期目標に分け、今後の政策に反映できるよう取り組む姿勢を示された。大いに期待すると同時に重ねて要望を繰り返し、実現に向けて我々も必要なエビデンスを揃える必要があると感じた。 (文責:藤本)報告者/座長:西田 智子(香川大学教育学部)講師:岡田 倫代 先生(高知大学大学院 総合人間自然科学研究科 専門職学位課程 教職実践高度化専攻)子どもの健やかなこころの育ちを支えるために、私達ができること~適切なコミュニケーションの大切さについて~ いまどきの高校生のしゃべり言葉の解説から始まり、先生の語りは優しく、この先生なら自分の思いをわかってくれそうだと感じるものでした。 子どもたちは、きらきら輝いているのに、その輝きを知らずに自分なりに諦めている子が多い。「心の中で焦りながら不安に怯える子」「大人の顔色を見て良い子を演じる子」「わざと悪態をついて悪い子を演じる子」など様々であり、その子なりに一生懸命頑張っているのに、「誰もわかってくれない」と感じている。 今私たち大人に必要なものは、適切なコミュニケーションであり、適切なコミュニケーションは、子どもが生まれた時から開始しなければならない。そして、子どもの輝きに気づいてあげること、子どもの変化に気づいてあげることが大切である。 岡田先生が定時制高校での教員としてのご経験や多くの悩み相談でのご経験の中から示された適切なコミュニケーションをとる方法のポイントは、①コミュニケーションの糸ぐち(TV番組、お菓子、ファッション、ゲームなど)②ポジティブな言葉で伝える ③見方を変えてみる ということ。 親子でも、自分と相手は全く別物であり、相手には相手の価値観があることを考えておくこと、そして子どもたちの本当の声を聞くことが大切である。 また、大人が励ましたつもりの言葉が、子どもたちにはうまく伝わらないこともよくある。子どもの朝のあいさつの声が小さいとき、先生に「声が小さくて聞こえないよ」と言われると、子どもは先生聞こえているくせにと思うが、これを「聞こえたよ。でももう少し大きな声で言えるかな」と言われると、自然に大きな声を出そうと思うそうだ。ほんのちょっとの言い方の違いだけなのに、相手の心に響く話し方があるのだとわかる。 私たちが日々の子どもたちを見るヒント、子どもたちへの声掛けのヒントをたくさんいただいた。心地よい語りで、納得しながら、もっともっとお話をお聞きしたいと思う講演でした。