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概要

news_no.94

2018年(平成30年)10月1日 一般社団法人 全国病児保育協議会ニュース 第94号(5) 特別講演2は、徳島県鳴門市に在住の児童文学作家くすのきしげのりさんに、「ひとりひとりが みんなたいせつ~子どもの心に気づくとき~」という題で御講演いただきました。会場となったかがわ国際会議場は、300名の定員が満席となり立ち見が出るほどの賑わいでした。立ち見となった参加者の皆様にはご迷惑をおかけすることになり、申し訳ありませんでした。 大画面のスクリーンにくすのきさんの作品が1ページずつ映し出されて、作者であるくすのきさん自らの言葉による読み聞かせが始まりました。静まり返った会場に、くすのきさんの声が響きます。「おかあしゃん。はぁい。」は、飛行機の中で、くすのきさんの後ろのシートに座った幼い女の子とお母さんの会話から生まれた作品です。女の子が眠るまで、女の子の「おかあしゃん。」に優しく「はぁい。」と答えるお母さん。幸せな気持ちになれる素敵な会話です。「おこだでませんように」は、七夕さまのお願いにこう書かれた小さな短冊を見たこひとりひとりが みんなたいせつ~子どもの心に気づくとき~報告者/座長:葛原 誠人(陶病院 病児保育室うぐいす)講師:くすのき しげのり 先生( 児童文学作家)  とから生まれた作品です。よかれと思ってしたことが、やりすぎになったり、場にそぐわなくて、いつも怒られてばっかりの男の子。男の子が願いを込めて短冊に書いた言葉は、子どもの心にハッと気づかされる言葉です。子どもが親を思う気持ち、親が子どもを思う気持ち、家族の絆を書いた「あっ!みーつけたっ!!」。子どもたちに、やさしい心や正直な心が育っていることを書いた「ふくびき」。私も、聴衆の皆さんも思わず涙…涙で心が洗われる、あっという間の1時間でした。 くすのきさんの作品は、日々の生活の中での発見を描いたものです。私たちにはわかっているようでわかっていないことがたくさんあること、私たち大人が子どもたちひとりひとりの心の動きに気づくことが大切であること、子どもにとって大切な環境である私たちひとりひとりが心豊かに生きることが大切であることを教えていただけた、素敵な講演でした。特 別 講 演 2特 別 講 演 3 特別講演3は、いまや手放せないツールとなっているスマホを中心に、電子メディアの影響、スマホ時代の子育ての現状と課題について、佐藤和夫先生にご講演いただきました。 佐藤先生は、子どもの発達や親子の愛着形成への電子メディアの影響についての警鐘を長年鳴らし続け、啓発活動をしておられます。今回の講演でも、電子メディアが子どもに与える影響、特に発達段階にある乳幼児への影響について、動画を豊富に用いて分かりやすく整理してくださいました。現場ですぐに活かせる知識やツールなどもご紹介いただき、参加された多くの先生方もたくさんのヒントを得ていただけたことでしょう。 我々乳幼児の育ちに関わる専門職に求められることは、スマホをはじめとする電子メディアを否定することではなく、スマホを使わないと子育てができない、スマホを使って子育てすることが最先端で子どもにとってもいいことである、と無意識のうちに考えてしまっている保護者に対し、スマホの子どもへの影響や、子どもの健全な成長発達にとって大切なことは何か、を伝え続けていくことです。それは、養育者と五感のやり取りで通じ合う経験であり、実体験を伴う自由な遊びであり、養育者がスマホを主体的に適切に使用する力、スマホリテラシーです。同時に、スマホに頼らない子育てを支援することも必要です。佐藤先生は、子どもの心身の発達に大切な時間と体験をスマホが奪ってし報告者/座長:山本真由美(小豆島中央病院 小児科)          講師:佐藤 和夫 先生(国立病院機構九州医療センター 小児科)スマホ時代の子育てを考える~小児科医と考えるスマホリテラシー~