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概要

news_no.94

(6)第94号 一般社団法人 全国病児保育協議会ニュース 2018年(平成30年)10月1日特 別 講 演 4 演者の小西先生は小児科医で、発達神経科学がご専門です。赤ちゃんをまるごと考える日本赤ちゃん学会を創設され理事長としてご活躍されています。ロボット工学などの異分野との研究により従来の育児観を大きく変える「みずから育ち、学ぶヒトである」との新しい概念を打ち立てられた。今回の講演では、子どもを取り巻く今日的な問題である虐待、アレルギー、発達障害などの著しい増加に共通する要因として浮上した「生活リズム」の変化について解説されました。 発達障害、特に自閉症スペクトラム障害(ASD)を取り上げ、最近の約20年で6倍にも増加している原因は、(1)日本の子どもの睡眠時間が世界で最も短く、入眠時間が22時以降になる乳幼児が30%を超えること、また妊婦の就寝時間も乱れており24時以降の者が20%を越えている、(2)母子手帳から日光浴が欠落したこと→子ども、母体の vit D 低下に影響、(3)保育園の建物の構造が変化し、明るい広い部屋の減少や音環境の悪化(反響音の増加)など。 日本で唯一、子どもの睡眠障害の入院治療を行っている兵庫県立リハビリテーション中央病院子どもの睡眠と発達医療センターでの研究によって、発達障害は睡眠障害と密接な関係があることが明らかにされている。最近の研究では入院中の子どもに vit D の著しい低下を認めている。概日リズム形成の混乱がASD発症に関係する。症例研究では睡眠障害のあるASDにはメラトニン治療が有効で、言語発達が著明に改善するがこだわりは残る。ASD発生機序の分類が必要で、新生児期の睡眠障害にみられる知覚過敏と知覚鈍麻などの感覚異常が発達障害の超早期障害と考えられ、これらの乳児は親を混乱させ虐待の要因となる。 母体睡眠障害で炎症性サイトカインが産生され胎児に移行し、自律神経障害を惹起する。vit D は脳内炎症を防ぐので母体と出生後の新生児にサプリメントとしてvit D を補給することの必要性なども強調された。報告者/座長:磯部 健一(高松大学 発達科学部)                講師:小西 行郎 先生(同志社大学 赤ちゃん学研究センター教授)赤ちゃんに学ぶ、育つチカラ~子どもの発達と生活リズム~まうのである、と、強く訴えていらっしゃいました。 現代のスマホの問題は、子どもだけの問題ではありません。むしろ大人が大人の都合で使っており、実際は大人の問題である、との佐藤先生からのメッセージは、自分の身をも振り返るきっかけになった方も多かったと思います。「大人こそ、スマホを使用しない時間と空間を設定し、スマホリテラシーを学ぶべきである」のです。教 育 講 演 1 研究結果を学会発表に留まらず論文として誌上発表する事は、その情報をより多くの人たちに伝えるだけではなく、後世にその業績を残す意味もある。本教育講演では病児保育施設で勤務する保育士・看護師等のコメディカルの方々が日頃の勤務の中で得た情報を題材にして論文を書くには何が必要かをその道の達人が伝授する初心者講座であった。先ず、研究テーマは色々な所に隠されておりその糸口として疑問に思った事や興味を感じた事を普段からメモに残す習慣を持つ事が重要とのお話しがあった。次に研究結果を論文として文章化するには文法を正しく理解する必要があり、その具体例が示された。例えば「ビタミンB 1が多い食材は豚肉やレバーといった肉類、玄米、胚芽米などの穀類、豆類では小豆、大豆があり、その他の食材では、緑黄野菜にも多く含まれています。」との文章では主語・述語が対応していない事や一文が長すぎる事を説報告者/座長:宮崎 雅仁( 小児科内科三好医院)               講師:黒木 春朗 先生(医療法人社団嗣業の会 外房こどもクリニック)保育士・看護師のための論文の書き方