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概要

news_no.94

(8)第94号 一般社団法人 全国病児保育協議会ニュース 2018年(平成30年)10月1日本子ども虐待防止学会に属して、子ども虐待に精力的に取り組まれております。 ご講演は、虐待の現状、虐待への対応及び予防、木下先生の虐待に対しての取り組み、香川県内の連携等についての内容を詳細に話されました。虐待の報告件数は年々増加しておりますが、氷山の一角であり、実際はもっと多いと想像されています。おそらく、かなり重篤なケースしか報告されておらず、見逃されている可能性が高いようです。医療機関の立場は命に関わる虐待事例の発見・治療だけでなく、ハイリスクケースや育児不安への対応等が求められています。子どもの家族背景や親子の様子などが分かる場所であり、虐待の予防につながる可能性を持っています。さらに、具体的な「気になるケース」を見付けた場合への対応を紹介されました。 また、院内虐待対応チームとして平成15年度から「育児支援対策班」を立ち上げ活動しており、虐待対応ではなく、育児支援を実施しています。悩みを抱えた親子のケアは「育児支援外来」で行っています。さらに、平成25年度から香川県は全県的に厚労相の「児童虐待防止医療ネットワーク事業」を実施して取り組んでいます。医療機関は、児童相談所、警察、検察、市町村役場などの関係機関との連携が必要であり、子どもたちの命を守るための医療機関の役割を強調されました。病児保育の現場では直ぐに遭遇する可能性は低いものの、虐待を認識する機会として大変有益なご講演でした。教 育 講 演 4(雰囲気:1500席規模の大ホールのステージに、和服姿で登壇され、まず、声出し練習として、詩吟の心得がある則久先生が、お歌を!) 初めに、現代社会が抱える問題点を指摘された。例えば、自殺者、不登校、いじめ、切れる子ども達など。その原因のひとつと考えられるのが、『食』ではないか?飽食の現代の栄養失調。 私達の体は、約60兆個の細胞からできており、それを作り替える材料は、自分が食べたもの。体の細胞は、約5年で食べ物と入れ替わると言われている。 その食べ物を摂取する際に気をつけないといけないことが沢山ある。例えば、食べ物の『旬』。食べ物に含まれる栄養素は、その時期によって大きく異なり、旬がベスト。さらに、料理の仕方によっても、実際に摂取できる栄養素が大きく異なる。例えば、野菜を千切りにして洗ってから食べると、栄養素が洗い流されてしまうことも要注意。 海は豊かな栄養の宝庫で、そこで獲れる『いりこ』は、とても美味しく栄養満点。香川県はいりこの産地。 三豊市立仁尾小学校での実際の経験事例が御紹介された。以前、殆んどの子ども達がインフルエンザに罹り、低体温の子どもの割合も多く、健康問題が課題になっていた。それが、子ども達の『食』を改善することによって、劇的に元気になった!その改善策とは、『いりこ』を活用すること、皮ごと食べること、良く噛んで唾液と混ぜること、胃液を薄めることなく吸収を良くするために給食の始めには水分を摂らないこと、など。 最近話題の腸内細菌についても、3~4歳で決まること、母親の影響。大阪で流行したO157の際にも、発症しない子ども達がいたことは腸内細菌との関連が考えられる。また、子ども食堂など食の貧困についても。(最後に、栄養素欠乏が原因でADHDのように落ち着きがなかった子どもが、『いりこ』で改善した実際のドキュメント映像が流された。)報告者/座長:柴﨑 三郎(讃陽堂松原病院)   講師:則久 郁代 先生(オフィスIKUYO)食が変われば心も体も変わる